形状は、矢立としては一般的でありながら、やはりその素材が「木目金」になるというだけでも、印象が変わってまいります。
まるで紅葉を思わせるような紅と、葉陰を思わせる黒の色。
鮮やかに浮かび上がる模様に物思いつつ筆をとるその動作さえも、一つの景色織り込んでしまう。
そんな魅力が、この作品にはあります。

江戸時代後期 赤銅、素銅
L210.0mm 98.0g

Yatate with design of woodgrain pattern
Late Edo period
Shakudo, Pure Copper